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北海道勇払郡占冠村にある、北海道最大級の滞在型リゾートホテル「星野リゾートトマム」は、札幌から東に約150kmの場所にあります。以前この一帯にはゴルフ場がありましたが、台風などによる大雨の被害によりゴルフ場を閉鎖することになり、その約100ヘクタール(東京ドーム約21個分)の広大な土地を何とか有効利用できないかと考え、スタートしたのが農業プロジェクト「ファーム星野」です。
星野リゾートトマム(星野リゾート公式HPより)
「ファームエリア」は、かつて約700頭の牛が飼育され、農業が営まれていた場所でした。ファームエリアでは、当時の美しい風景を取り戻し、かつ旅行者にも楽しんでもらいたいとの考えから、日本では数少ない「放牧酪農」という、牛を牧草地に放し飼いにする飼育方式を取り入れています。牛が自由に歩き回り、牧草を食べ、排泄物が肥料となり、また新たな牧草が育つという、資源循環型農業としての側面もあります。牛舎で飼育する一般的な方式よりも衛生的で、牛に与えるストレスも少なく、運動量が増えて健康な牛が育ちます。現在は、牛だけでなく羊・ヤギなども放牧して北海道らしい牧歌的な風景を織りなしています。その風景を旅行者にも味わってもらおうと、ファームエリア内に「巨大牧草ベッド」を設置。これは牧草を敷き詰めた全長30mにわたるふかふかのベッドで、旅行者が寝ころびながら放牧されている牛などを眺めることができます。このように「ファームエリア」では「酪農」と「観光」をうまく両立させつつ、持続可能な観光の実現に日々取り組んでいます。
「ファームエリア」の巨大牧草ベッド(星野リゾート公式HPより)