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最近（さいきん）、山間（さんかん）部（ぶ）のみならず、市街地（しがいち）周辺（しゅうへん）などでもクマ（ツキノワグマ）の出没（しゅつぼつ）が問題（もんだい）になっています。この主（おも）な原因（げんいん）は、「生息（せいそく）数（すう）の増加（ぞうか）による生息（せいそく）域（いき）の拡大（かくだい）」や「エサとなるブナの実（み）などの不作（ふさく）」により、冬（ふゆ）ごもりをするための栄養（えいよう）が足（た）りず、エサを求（もと）めて人（ひと）の住（す）むエリアまで降（お）りてくるからだと言（い）われています。そして人（ひと）の住（す）むエリアに入（はい）ってきたクマは、やむをえず殺（さっ）処分（しょぶん）されることもあります。しかし、クマは野生（やせい）動物（どうぶつ）であり、保護（ほご）する必要（ひつよう）があるのも事実（じじつ）。今（いま）、「人（ひと）の安全（あんぜん）を守（まも）ること」と「野生（やせい）のクマを絶滅（ぜつめつ）させないこと」の両立（りょうりつ）が求（もと）められています。

長野（ながの）県（けん）軽井沢（かるいざわ）町（まち）で野生（やせい）動植物（どうしょくぶつ）の保全（ほぜん）に取り組（と　く）むNPO（エヌピーオー）法人（ほうじん）「ピッキオ」は、「人（ひと）の安全（あんぜん）を守（まも）ること」・「野生（やせい）のクマを絶滅（ぜつめつ）させないこと」の両立（りょうりつ）を目指（めざ）して、さまざまな活動（かつどう）を続（つづ）けています。その一（ひと）つが日本（にほん）初（はつ）となる「ベアドッグ」の導入（どうにゅう）です。ベアドッグは、クマの匂（にお）いや気配（けはい）を察知（さっち）する特別（とくべつ）な訓練（くんれん）を受（う）けた犬（いぬ）で、大声（おおごえ）で吠（ほ）えることでクマを森（もり）の奥（おく）に追い払（お　はら）います。クマは学習（がくしゅう）能力（のうりょく）が高（たか）いため、繰り返（く　かえ）し追い払（お　はら）われるうちに「ここに行（い）ってはいけない」と理解（りかい）し、クマの目撃（もくげき）件数（けんすう）は2006年（ねん）の36件（けん）に対し、2016年（ねん）は9件（けん）まで減少（げんしょう）しました。そしてもう一（ひと）つは「ゴミ箱（　　ばこ）の改善（かいぜん）」です。エサを求（もと）めて人（ひと）の住（す）むエリアにやってきたクマがゴミ集積（しゅうせき）所（じょ）を荒（あ）らすという被害（ひがい）が相次（あいつ）いだため、「クマが開（あ）けられないゴミ箱（　　ばこ）の開発（かいはつ）・設置（せっち）」を順次（じゅんじ）実施（じっし）しました。その結果（けっか）、1999年（ねん）の時点（じてん）では年（ねん）129件（けん）あった被害（ひがい）が、2009年（ねん）以降（いこう）はほぼゼロになりました。