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西表島は、沖縄県内で沖縄本島に次いで2番目に大きい、面積約290㎢・人口約2,500人の島です。年間2,000mm以上の雨が降る、高温・多湿の亜熱帯海洋性気候で、島の約90%が亜熱帯林(ジャングル)、島のほぼ全域が西表石垣国立公園の区域になっています。近海にはカラフルなサンゴが群生し、島内には国の特別天然記念物である「イリオモテヤマネコ」など、多くの動植物が生息・生育しています。この「生物多様性」が認められ、2021年7月に奄美大島・徳之島・沖縄島北部と共に世界自然遺産として登録されました。
西表島にある「星野リゾート西表島ホテル(以下「西表島ホテル」)」では、島の自然環境を保護する活動に取り組んでいます。島の課題のひとつに「ロードキル」の問題があります。ロードキルとは、自動車との衝突や道路脇の排水溝への落下など、道路を原因としてイリオモテヤマネコなどの野生動物が死亡する事故のことです。特にイリオモテヤマネコは西表島にしか生息していない固有種であり、かつ絶滅危惧種です。しかも島の生態系の頂点に立つ動物でもあり、その個体数の減少は、島全体の生態系のバランスにも影響を及ぼします。そこで西表島ホテルでは、イリオモテヤマネコの保護活動として、環境省による指導のもと、スタッフによる道路脇の草刈りを定期的に実施しています。道路脇の草を刈ることで、イリオモテヤマネコが不意に道路に飛び出してきても、ドライバーが気づきやすくなり、ロードキルの防止に貢献しています。